ちはとは、先天性の希少疾病である、血友病Aの罹患者です。
「先天性」は生まれつき。「希少疾病」は患者数が少ない病気のことを指します。
本ページでは、血友病に関する個人的な手記により、クローズドかつ情報の少ない本疾病について、
より幅広く知ってもらえたら、という思いにより、作成しているものです。
本ページの内容は、患者個人の手記であり、内容をもとに如何なる判断を第三者がすることは想定していません。
また、病気に関する感じ方は人それぞれであり、本ページはあくまで一個人の手記であることを、十二分にご理解ください。
血友病は、正式には「先天性血液凝固因子欠乏症」の1種です。
簡単に言うと、『出血した際、血が止まりにくい』病気です。
詳細な内容については、製薬会社の正式なページをご参照ください。
自分はこの中で、第Ⅷ因子が不足する「血友病A」の「軽症」にあたります。
上記、製薬会社のページに記載がありますが、「血友病A」の罹患者は、日本の中でおよそ5,700人とされています。
ただし、これはあくまで調査の報告書であり、厳密な値かはわかりません。
「軽症」は、凝固因子活性ベースライン値(=第Ⅷ因子が100%中どれくらいしか無いか)では、5%以上とされており、私はおよそ6%です。
重症や中等症の人よりも日常生活に大きな支障は出にくいですが、交通事故による外傷など、多量の出血をともなった場合、止血が健常者と比べて難しくなります。
薬害エイズ事件というのは、学校の授業で学んだ方も多いのではないでしょうか。
血友病は、基本的に凝固因子(人が生まれつき持つ血を固める役割をもつもの)が不足しているため、出血時は、その凝固因子を補充します。
これには、1980年ごろからは、基本的に輸血による血液製剤を用いました。
さて、もう少しわかりやすくいいましょう。
料理をするとき、「生の肉はそのまま食べられないから、加熱して焼いてから食べよう」というのは当たり前です。
これは、製剤も同じです。「(輸血)血液製剤に、ばい菌が入っていないように、ちゃんと加熱してから使いましょう」というのが普通の考え方です。
しかし、非加熱のまま米国より輸入された製剤の使われた時期があり、ウイルスが死滅できず、結果として非加熱製剤を使用した一部の方がHIVに感染してしまったことがありました。
これが、薬害エイズ事件の大雑把な説明です。
しかしながら、加熱製剤(ちゃんとばい菌入らないようにしたよ~)の使用は、日本でも1985年に承認がおりています。(※非加熱製剤の回収が遅いといった点もありましたが)
従って、そもそも、この事件より後に生まれた人は、この事件に関係ないので、薬害エイズ事件と結びつける理由がありません。
というか、生まれる前に無くなった製剤をどうやって、事件後に生まれた人へ使うんでしょうか?
なお、1990年代以降、技術は進歩し、現代ではそもそも人からの輸血に頼らない製剤が開発されています。
このため、現代では、「血液製剤」ではなく「凝固因子製剤」などと呼ぶことが多いです。
薬という性質上、何らかの副作用が出ることをゼロにすることはできません。
しかし、他に対処療法が無いことから、平成の時代から出ている製剤については、ベネフィットのほうが大きいため、普通の患者は選択することと思います。
一つ困るのが、この「事件に巻き込まれた人」と「事件に巻き込まれなかった人」の両方がいるため、この誤解が完全に解消されないことです。
巻き込まれた人は、盛んにこの事件を話題にあげます。当時の製薬会社や行政の対応が酷かったため、一定の理解はできます。
しかし、巻き込まれなかった人にとっては、事件を取り上げられるたびに、誤解されて、ぶっちゃけ迷惑です。
本事件はすでに和解が成立しています。
あえて名前はあげませんが、この「巻き込まれた人」と「巻き込まれなかった人」の両方がいることを、「巻き込まれた人」がきちんと言っておかないと、誤解はとけません。
失礼な言い方をしますが、町医者、診療報酬などに記載される(診療所)と呼ばれる医者は、血友病もそうですが、希少疾病に関する知識が無い or 誤解しているのが圧倒的に多いのが現状です。
血友病の場合、処置には、凝固因子製剤を静脈内注射にて補充するのが基本です。
しかしながら、医者の中には、これを説明しても理解してくれない人もいます。
自己注射(製剤を自宅で保管し、出血時に患者本人で静脈内注射すること)も認可されています(※)が、これすら知らない医者も多いのです。
(※医師・看護師の指示・指導を受け、患者が自己で対応できると医師が判断したうえでの許可が必要です) (参考文献)
自己注射をする理由としては、後述の通り、製剤を容易に手に入れづらいことと、それに伴う患者のQoL低下があります。
早い話が、『風邪をひいたのに、風邪薬がどこにも売っていない!遠く離れた病院まであらかじめ予約しないと確保できない!』って感じです。
自宅に製剤を確保しておけば、何かあったときに自分で対処ができます。
また、最悪、自己注射ができなかったとしても、製剤さえあれば、静脈内注射のできる医師・看護師等により、対応は可能です。
「自分で静脈内注射していいの!?」って、とある町医者に言われたときは、呆れました。それぐらい大学病院で学んでおけよ、って思います。
静脈内注射は、インスリンやワクチンの皮下注射とは異なり、血管内に注射して補充するものです。(参考文献)
血友病を扱う専門医のいる病院を除き、そもそも凝固因子製剤を日常的に使うことはないため、普通の薬局や大学病院に製剤は基本的にはありません。
また、専門医のいる病院でも、製剤は基本的に予約制となっています。専門医がいるとはいえ、風邪薬のように日常的に出回るものではないからです。
血友病の有識者がおり、対応が特に整っている「ブロック拠点病院」は、日本でたったの『14』病院です。
たとえば、四国にはブロック拠点病院がありません。一番近いのは、「広島大学病院」です。
なお、ブロック拠点病院と連携する「血友病診療連携地域中核病院」というのがあります。
こちらは、ブロック拠点病院ほどではありませんが、有識者がいるため、基本的な治療が受けられます。
(2026年1月 執筆中)